2020年10月6日火曜日

「あいまい」が宿す創造性


先日、元講談社編集員で現在会社経営をされている佐渡島さんと、慶応大学特任
准教授の若新さんとの対談が朝日新聞に掲載されました。今回はこの内容をピック
アップします。
 
若新:いま、テレビにリモートで出演していますが、これまでなら「画質が悪い」
却下されたはず。それが一気に「完璧じゃなくてもOK」となった。社会が新し
ものを採り入れていくときの、本来の在り方だと思う。
 
 佐渡島:大量消費社会では、品質に差異がないことが理想とされていた。ところが
今回、多様性を認めようと変わってきている。
 
 若新:「ちょっとこういう状況なんで」と、新しい技術ややり方を試行錯誤できる
ようになった。
 
 佐渡島:ゆるさ、いい加減さ、雑さを受け入れることが突破口になるというのは、
結構な「気付き」ですよね。しかも世界中で起きてるというのが、とてつもない。
 
 若新:漢字の「絶対」の反対は「相対」。でもひらがなの「ぜったい」の反対は
「あいまい」だと思うんです。

   佐渡島:クリエーティブなものって、あいまいな中から生まれてくる。組織を作っ
ていると「ルールにして」とか「はっきりして」とか色んな声が上がってくるけど、
それに対して「まあいいじゃないか」とあいまいな状態のまま進むって、すごく重要
だと思う。

 若新:その「あいまい」には教養が必要だと考えます。「ぜったい」は、例えば
チャイムが鳴ったら集まるとか、深く考えなくても運用しやすい。でも「あいまい」
は、1日1回立ち止まって、本当にそれだけなのか、ほかにないかなと疑問を持た
なければならない。自分とは違うものが存在することを知るのが大切です。

 佐渡島:教養って、他者の立場に立つための土台となる情報ですよね。大学に何の
ために行くのか、それはあいまいさを許容するための教養を学ぶため。

若新:学問の一つの意味は、価値観が大きく変わっても特定の時代や場所の価値観
縛られないものの見方、考え方を身につけることだから。

 皆さん、この対談をどのように感じますか。コロナウイルスの影響で、世界
各地で‘絶対’が崩れています。それを各々が乗り切る方法の一つが、教養に裏打
された‘あいまい’なのかもしれません。

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