「ギグワーカー」ご存知ですか?今回は17日(日)朝日新聞の4面に掲載された内容を紹介しつつハローワークに繋げたいと思います。
背景には人工知能(AI)など、「仕事」と人を結びつけるテクノロジーの進化のなか、パソコン・スマホで「単発の仕事」を請けて働く労働者。ギグとは1回限りのライブ演奏参加を意味する音楽用語だそうです。この前置きから具体的な例が報じられていますので、2人ピックアップいたします。
まず国内。50代の男性が23年間勤めた電機メーカーを退職。80歳近くの母親の面倒をみるため、自由の利くギグワーカーへ。ブログに暴力や薬物などの書き込みがないか確認したり、ネットリサーチの結果をチェックしたりなど、1件あたり2~4円。1日に1万件もこなすとのことで、結果サラリーマン時代と同じ月収40万円を維持しているものの、睡眠時間は平均3時間とハード。「いつ仕事が減るかもしれず、できる時にやらないと」とのご本人のコメント。
次に海外。ウーバーのアプリを使って仕事を受ける40代のタクシードライバー。3年前は運転手が少なかったため、経費込みで週に売り上げ54万円でしたが、現在は運転手の希望者が激増したため、1日19時間働いても週に9万円弱(燃料費など経費込み)とのことで、最低賃金を下回ってしまっている状況。
ちなみにアメリカのウーバータクシーの利用客は、タクシーを呼ぶスマホ入力の段階で、金額の高低をセレクトしてオーダーする仕組みで、ドライバーの接遇や車のコンデションなどを常に評価され、それが収入に影響を及ぼしています。高評価を維持できれば、セレブなお客様の支持を受けることが出来、少数の選ばれたドライバーが高収入を獲得しています。
ギグワーカー。多様化する社会の中で、働き方の選択肢が増えるのは自然現象かと思いますが、問題も浮き彫りになってきています。それは雇用関係では無いため法律の保護が及ばない点。最低賃金の保証も無く、また、厚生年金にも非適用で仕事中に起こった怪我も労災保険が適用されません。ハローワークに関連すると、失業しても雇用保険の給付を受けることはできませんね。
これらの事実から後は個人の考えですが、冒頭に書きました50代男性のように、何らかの理由のある場合は仕方ありませんが、わかものハローワークをご利用になる年齢層の方には、まずしっかりと雇用関係でキャリアを積むことが将来のためにも有効だと思います。
雇用関係において社会保険の適用になれば、その保険料の半額は企業が支払ってくれますし、研修制度があれば、仕事中に賃金を受けて物事を教えてもらうことができます。学生であれば授業料を払うことに比較するとかなりの厚遇ですね。
社会参加のベースは雇用であること改めて自覚し、将来のある若い方々に少しでも多く就職のサポートをさせて頂きたいと思い、ご来所お待ち申し上げております。
~大阪わかハロ広報隊~